第39章 バレンタインは憂鬱で〈二口堅治〉
in保健室
「ごめん、私のせいで足怪我しちゃて。バレー部なのに。」
私たちは保健室で
怪我の治療をしていた。
堅「別に軽い捻挫だからすぐ治るって。
つーか朱鳥こそ膝擦りむいてるけど大丈夫?」
「うん、平気。」
階段から落ちたとき堅治がかばってくれて私は軽い軽傷ですんだ。
堅「じゃあ送ってやるからちょっと待ってろよ。俺、一旦体育館行って荷物持ってくるから。」
「え、いいよ!!1人で帰れるし。」
堅「バーカ。お前一応怪我してんだぞ?
怪我した女子を1人で帰らせられないだろ?
それに、俺もこれじゃ今日は部活無理そうだし。」
「……あ、ありがと……。」
堅「じゃあちょっと行ってくるわ。」
そう堅治が保健室を出ようとする。
あ……もしかして
今がチョコを渡すチャンスなのかも。
誰もいないし、断られても恥ずかしくないよね?
本当はもう渡さない気でいたけど
渡さないと後で後悔するかもしれないし。
「“当たって砕けろ“…“私らしくない“……か。」
ハルちゃんからの言葉が頭の中によみがえる。
堅「ん、何か言った?」
堅治がボソッと言った言葉が聞こえたらしく振り向いた。