第39章 バレンタインは憂鬱で〈二口堅治〉
ハ「朱鳥、もうすぐバレンタインだし、告ちゃえば?」
ハルちゃんの言葉に一瞬言葉を失った。
「え!?や…やだよ!どうせあげたって他の子のチョコと混ざってわかんなくなるし、フラれるのわかって るもん!
……って言うか、好きな人にチョコあげて付き合えるなんて確率の低いギャンブルよく皆やるよね…。」
ハ「ギャンブルって……。バレンタインは女子にとって一大イベントだよ?
私は二口くんと朱鳥お似合いだと思うんだけどな~!
それに!噂だけど今年は二口くん本命の子からしか貰わないみたいだよ?」
「へー相当自信あるんだーアイツ。あ、でも逆に言えば本命の子から貰わないと今年はチョコ0か(笑)」
ハルちゃんはバンッと机を叩いて立ち上がった。
ハ「笑っている場合じゃないよ?!
その本命って朱鳥のことかもしれないんだよ?」
「な、何でそう思うの!?」
ハ「女の勘!」
「…。」
ドヤ顔でありきたりな答えを言うハルちゃんに呆れた。
ハ「朱鳥、来年は卒業間近でほとんど学校来ないんだからチョコあげられるのは今年が最後かもしれないだよ?」
「…わ…わかってるよ…。」
ハ「もう!そんなの朱鳥らしくないよ!
もしかしたらあるかもしれないでしょ!?
当たって砕けろだよ!」
正直、ハルちゃんの言葉が本当の事で言い返す言葉がなかった。