第4章 一年の差 〈黒尾鉄朗〉
研「………朱鳥……朱鳥ってば…」
「え…あ…ゴメン。何?」
同じクラスの研磨に肩を揺らされ私はハッとする。
研「部活…行かないの?もうHRおわってるけど。」
「えっ!?ゴメン…行く。ちょっと待って!!」
私は慌てて鞄を出した。
研「……。」
「…。何?何か付いてる?」
黙って見てくる研磨の視線が気になって私は聞いた。
研「…朱鳥…もしかして、クロのことでなんか悩んでる…?」
「ふへっ!?な…何で!?」
研「朱鳥がボーっとしてるときってだいたいクロが関わってたから…。」
図星だ。なんで研磨はわかちゃうんだろう。
「……さすがだね…。怖いぐらいの観察眼をお持ちで…。」
研「別に…そんなんじゃないよ。………でもそんなに悩んでるなら、直接クロに聞けばいいのに…。」
「……あ…そう…だね。」
……って言えるわけないでしょ!?
"クロと離れたくない"っていう個人的な願い……。