第27章 今はまだ…… <二口堅治>
目線の先には
階段に座ってうとうととしている朱鳥がいた。
堅「は?クラスの準備ひとりでやってんの!?」
朱鳥のクラスは文化祭で喫茶店をやるらしく、飾り付けやメニュー表、チラシなどをひとりでやっていた。
「私、手があいてたから…」
朱鳥は少し眠たそうに答える。
堅「い…いやでもさ…
ひとりじゃ大変だろコレ?
そんなにひとりで何でもかかえて頑張らかなくてもよくね…?」
「何言ってんの…。私が自分でやってることだからいいのよ。
みんな、塾や部活での準備、バイト……。
そういう忙しさが私にはない。
やっておけることなら私がやっておけた方がいいでしょ。」
堅「…………ふーーん。」
そういうとまた
うとうとと寝てしまった。
堅「相変わらず
真面目だな。」
朱鳥の寝顔を見ながら
少し笑った。