第25章 別にシスコンじゃねーよ 〈黒尾〉
夜「ところで朱鳥ちゃん、買い物って何だったの?」
「あ…えっと…それは……」
ビックと反応した後朱鳥は何か迷っているようだった。
木「朱鳥ちゃん…ちょっと早いけどいいんじゃね?」
「葵先輩…。」
そこに木村が優しく朱鳥の肩を叩くと朱鳥はちらっとこっちを見た。
そしてすたすたと近寄り
「……はいっ!!!これあげる!!」
俺の前にさっき木村と買っていたであろう紙袋をつき出した。
兄「……え?」
「誕生日プレゼント!!明日お兄ちゃん誕生日でしょ!?1日早いけど……。」
夜「ってことは買い物って」
海「黒尾の誕生日プレゼントだったのか!」
他は納得してるみたいだけど俺はまだ気がかりがある。
兄「でもなんでそいつなんだよ!?」
そう。
なんでよりによって俺の知らないバスケ部の男子なんかと一緒だってこと。
「だって…ビックリさせたかったし、運動部の男子って何が欲しいかわかんないくて…。でもバレー部のみんなだとバレるかもだったから…。」
少し顔を赤らめる朱鳥
を見てラッピングされている袋を開けた。
中には…
吸水性のあるスポーツタオルとバレーボールのに『必勝』って書いてあるキーホルダーと
そして昨日朱鳥が作っていたクッキーの詰め合わせが入っていた。
「あーもう本当は明日渡したかったのに〜」
朱鳥はほほを膨らませつまらなそうに言う。