第3章 鈍感な二人 〈西谷夕〉
*朱鳥
「もう…なんでいつも私が…。」
ブツブツと文句を言いながら男子バレー部が朝練をしている体育館に向かっていた。
と、そこに丁度体育館からバレー部の部員達が出てきた。そして彼も…。
「あ、夕ちゃん〜〜!!」
私は彼名前を呼ぶ。彼はすぐに気が付いてこちらへ走ってきた。
夕「朱鳥、その"夕ちゃん"ってのやめろって言ってるだろ?」
「なんで?カワイイのに"夕ちゃん"♪」
夕「だから嫌なんだ!!俺は男だ!」
「はいはいわかったよ夕。」
夕「わかればいいんだよ!!で、どうしたんだ今日は?」
「"どうしたんだ?"じゃないって…。なんで三日連続で弁当忘れるかな…。持ってくるこっちの身にもなってよ。」
そう言って私は夕の母さんから預かった弁当を渡した。
夕「おー!!すまん!!朝練遅刻しそうで忘れた。」
「ハァー。本当夕の母さんも気の毒だよね…朝早くから弁当作ったのに忘れていくんだもん。てかここ一ヶ月忘れ物しすぎ…プリントに筆箱、せっかくやった宿題に、家の鍵…いい加減にしてよね。」
そんな話をしていると…。