第24章 たとえ君がいなくなっても 〈山口忠〉
*山口
バレーをしていると
思い出す
あの夏の
わずかな日々を…。
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インハイが終わって
間もない頃
何気ない日曜日。
春高予選に向けてジャンプフローターサーブの練習をしようと思うけどその日は部活は休みだし、嶋田さんも仕事中、近所の公園では小さな子供たちが遊んでるし、どこか練習できるところを探していた。
そんなときたまたま見つけた駅の裏にある公園。
階段を上ったとこにあるその公園は広くてサーブ練習するにはちょうどよく、人は誰もいなかった。
俺は練習場所をそこに決め
サーブ練習を始めた。
しばらくして
練習をしていたら手元が狂ってボールが変な方に飛んでしまった。
しかも
そのボールの先には
さっきまでいなかった筈なのに
見かけない女子の後ろ姿があった。
(ヤバい当たる…!!)
そう思った。
でもボールはわずかに女子の頭の横を過ぎた……。
とりあえず安心したけど
気のせいだろうか…
ボールは女子の頭に少し当たった気がした。