第23章 海は恋を叶えてくれた〈岩泉一〉
「ん……。」
ぼんやりと目が覚めると…
私は一にお姫様だっこされて運ばれていた。
一「あ、気がついたか?」
一瞬わかんなかったけど状況を理解した途端慌てた。
「っ!!!!…や…やだ下ろして…!!」
バタバタと手足を動かして降りようとしたが
一「おい!!暴れるなよ!!危ねーだろ!!」
しっかりと抱かれてて出来なかった。
「た…だって…!!」
鏡を見なくても自分の顔が赤いのがわかった。
一「溺れて気失ってたし、足怪我してんだから仕方ないだろ!?」大人しくしてろ!
「そ…そうだけど…お…重いでしょ…?」
気を失っているうちに好きな人にお姫様だっこされて慌てるのは普通じゃないかな?
特に体重とか気にしてる女子にとっては…。
一「…別に…重くねーよ…つーかお前はもう少し食った方がいいぐらいだ。」
まっすぐ歩く方向を見ている一を見ながら
「…そっか…。うん…ゴメンありがと…。」
溺れた疲れのせいか、それとも一に抱えて安心したせいか私は深い眠りについてしまった。