第23章 海は恋を叶えてくれた〈岩泉一〉
*朱鳥
「はぁ…ほんとサイアク…徹せいで……。」
1人浜辺を歩いていると
女1「ねぇ、黒羽さん、ちょっといいかな?」
5〜6人の徹のファンの子たちが現れた。
嫌な予感がした。
皆のいるところから離れた岩場に連れてこられた。
女1「あんたさ〜幼馴染みでマネージャーだからって気安く及川さんに話しかけないでくれる?」
(いやいや…あっちからはなしかけてくるんだけど…。)
さっきとは違う声色で私を睨み付けるように言う女子達。
最近多いだ、こういうこと。
バレー部の皆と…特に徹といるのが面白くないらしく…
こうして文句を言われたり、嫌がらせされたり……。
徹には興味ないって言っても全然聞く耳持たないし…。
本当めんどくさい…。
女2「及川さんはみんなに優しいんだから調子乗んないでくれる?」
(……だれも乗ってないんだけど…。っていうか…私は徹より一の方が好きななのに…。)
少し話が途切れたのを見計らって
「あの…もういいかな?(いい加減聞き飽きた。)」
女《!!》
そう言ってその場を去ろうとしたとき
女1「本当ッムカツク!!!」
女2「邪魔なんだよアンタ!!!」
女子達は私の髪を掴みかると怒鳴り出した。
「やっ…イタっ……!離してよ!!!」
女1「あんたのせいでこっちはいつも迷惑してんのだよ!!」
嫌がって女子達と揉め合ってるいると…ズルッ……
「っ!!?」
岩場から足がずれてた。
その瞬間女子達は手を離して
バランスを崩した私1人だけ海に落ちてしまった。
海に沈みながら泳ごうとしたけど、落ちるときに足を強く打ってしまって上手く泳げない…。
しかもいきなり落ちたせいで息を吸う暇もなかったし、水を多く飲んでしまった。