第20章 アップルパイと君 〈研磨〉
*朱鳥
正直言うと気づいていなかった。
だって研磨はあんまり表情変えないし、思ったことをペラペラ話すほどお喋りでもないから。
ちょっと元気ないなとかしかわからなった。
研磨が私のことが好き?
私の頭のなかは混乱していた。
「ごめん…研磨。突然過ぎて…私なんて答えていいかわかんないよ…。」
研「……俺こそごめん。いきなりびっくりしたよね……?」
そういうと研磨はスッと手を離した。
顔を見なくてもわかる。研磨が少し落ち込んでいるのを…。
「で…でもね!研磨のことは好きだよ!?まだそれが異性としてはわからないけど、ちゃんと返事するから!!」
振り向いて
研磨の顔を見て言う。
研「…うん…ありがとう…。」
研磨は少し優しく笑った。