第20章 アップルパイと君 〈研磨〉
「研磨〜!!!来たよ!!!」
そう私は幼馴染みで同級生の研磨の部屋のドアを開けた。
研磨は両手に3DSを持ったままちょっとビクッとして
研「あ……朱鳥か…。あれクロは?一緒に連れてくるって言ってなかったっけ?」
と聞いてきた。
「それがさ〜今出掛けてるみたいなんだよね〜。一応電話しといたから帰ったら来ると思うけど。」
研「ふーん…そうなんだ。」
研磨はそう言ってゲームの続きをやり始めた。
「今日は何のゲームしてるの?」
研「ハ〇キューク〇スト…。」
「へー!!それ面白い?」
私はゲーム画面を覗き込んだ。
研「まぁまぁ…かな…。
ていうか…なんか朱鳥甘い匂いする。」
「あ、気づいた!?実はね、今日は研磨におみやげあるんだ♪」
私は鞄と一緒に持ってきた白い箱から中身を見せた。
研「……これって…アップルパイ?」
「うん!!研磨好きでしょ?時間あったから作ってみたの!!」
研「朱鳥が作ったんだ…。」
「まぁ…私お菓子作りとかあんまりしないから美味しいかわからないけど…。」
研「…朱鳥…怪我したの?」
研磨は私の指に貼ってある絆創膏を見て言った。
「アハハ…私、不器用だからちょっと指切っちゃった!!でも大丈夫だよ?少しだし。
それより食べない?クロの分は残しておけばいいしょ♪」