第2章 心を閉ざした君 〈及川徹〉
及「バカだな…朱鳥ちゃんは。誰かが離れていくのが怖いなんて皆そうだよ。一人の方が楽だってわかる。でもさ…人は一人じゃ生きていけないんだよ?それに…朱鳥ちゃんは自覚してないかもしれないけど…俺たちバレー部は朱鳥ちゃんを大切な仲間だと思っているんだから。」
「……なんで…そんなことわかるんですか?」
及「わかるよ。少なくとも俺はそう思ってるよ。」
「……。及川…先輩は…なんでそう…言い切れるんですか?」
そう。それは自分でも思っていた。他の女の子にも優しくするけど朱鳥ちゃんは特別で…自分でもよくわかっていなかった。けど今やっと確信した―。
及「朱鳥ちゃんが好きだからだよ。仲間とかマネージャーとかじゃなくて女の子として。」