第2章 心を閉ざした君 〈及川徹〉
"怖い"?最初、朱鳥ちゃんが何を言っているのかわかなかった。だけどそれはすぐ理解できた。
「人と関わることが…誰か特別な人を作るのが……怖いんです…」。
話す朱鳥ちゃんはただ下を向いていた。。繋いだ手からはわずかに震えが感じた。
「…誰かと…関わるばその人と絆が深まります…けど…そんなの些細なことで一瞬で壊れてしまいます…。私はそれが怖いんです……。だから、どうせいつか壊れてしまう絆なら初めから…作らないほうがましです。」
横顔でしかも前髪のせいで顔はよく見えなかったけど、声も少し震えてるしきっと泣いているのだろう。
「だから私は人と距離をあけ、誰にでも平等にしてきました。おかげでクラスでも居ても居なくてもいい空気みたいな存在になりました……。でも誰かが去っていく辛さに比べれば…全然平気です…。
……すいません…こんなくだらない話(ギュッ)!!!?お、及川先輩?!」
初めて朱鳥ちゃんの泣いている姿を見て俺は朱鳥ちゃんを抱きしめていた。