第18章 龍球女子と排球男子 〈及川徹〉
*朱鳥
油断した……。
昨日あのまま寝てしまって
おもいっきり風邪引いた。
熱さと咳の息苦しさの中
少し眠った。
しばらくしてノックの音がした。
熱のせいで眠りが浅かったからすぐ起きれた。
母「朱鳥…起きてる?」
「母さん…うん…起きてるよ…。」
母「そう。丁度朱鳥にお見舞い来てるのよ。学校の先輩だっけ?
母さん少し心配してたんだけどよかったわ!こんな素敵な人と出会えて!」
(……?何のこと?学校の先輩ってことはバスケ部の先輩とかじゃないのか?)」
及「大丈夫?朱鳥…。」
母さんが部屋を出ていったあと入ってきたのは徹先輩だった。
「と…徹先輩!?」
及「……昨日あんなことしたのにまだそう呼んでくれるんだ。」
そう言われて気づく。
たった1日だったのに昨日のことが深く覚えていて無意識にそう呼んでしまった。
「あ…いや…つい。」
及「いや…嬉しいよ。それより、ごめんね?昨日あんなことしたから雨の中帰って風邪引いちゃったんでしょ?」
「いえ…俺が勝手に帰ってしまったことなんで謝らないでください。」
それから
少しの間沈黙が続いた。