第15章 君が好きなんです。 〈孤爪研磨〉
*朱鳥
黒「研磨、もうちょいやる気出せよ、春高予選まで時間ないんだぞ?」
ここは…都立音駒高校体育館。
今日は男子バレー部の練習の日です。
みんな休みなのに朝から練習頑張ってます。………ただ一人を除いては………。
研「やだ……もう疲れた…。」
幼馴染みのクロから目をそらして言う。
研磨はいわゆる無気力男子で、自主練でトスを5回上げたらいい方というぐらいやる気が無いです。
(……しょうがないな…。)
私は研磨に歩み寄った。
「ねぇ、研磨!」
研「…朱鳥…。」
「今日もうちょい頑張ったら明日私の家でモンスターカリウド3やらない?研磨持ってるでしょ?通信しようよ。」
研「…いいの?朱鳥んち妹とか弟いるでしょ?邪魔にならない?」
ピクッと反応して聞いてきた。
「大丈夫!明日は母さんが妹たち連れてデパート行くって言ってたし!私は別に行く気ないから。」
研「……朱鳥がそこまで言うなら……。」
「うん!頑張って♪」
研磨は渋々約束してくれて、皆のいる方に向かった。
と後ろから
黒「さすが〜マネージャー兼研磨の彼女だな。研磨の扱い方わかってるな。」
ニッと笑いながら黒尾先輩が言う。
「いやいや…そんなこと無いですよ黒尾先輩。てゆうか…その呼び方やめてください恥ずかしい。」
研磨と私は付き合っている。
もう一ヶ月になるだろうか。
告ったのは私。数日たってから返事をもらった。