第12章 叶わぬ恋でも…。 〈月島蛍〉
*蛍
朱鳥とほどほど話さないまま午前中が終わり昼休みになった頃。
朱鳥の様子が気になって朱鳥のクラスを見に行ったとき朱鳥のクラスの女子が慌てて僕に話しかけてきた。
見覚えがある。朱鳥とよく一緒にいる数少ない友達だ。
友1「あ!月島くん!!あ…朱鳥ちゃんが…倒れちゃって…!!!」
友2「科学の実験のときにいきなり……。今保健室で寝てると思う。」
それを聞いて急いで保健室に向かおうとした。
が、彼女たちに呼び止められた。
友「待って…!朱鳥ちゃんちょっと熱あるみたいで早退するんだって。だから鞄持っていってあげようと思ったんだけど…月島くん行くならお願いできる?」
そう言われ『わかった。ありがとう』と朱鳥の鞄を受け取る。
友1「でもビックリだよね!!朱鳥ちゃんが倒れすぐ影山くんが駆け寄ってお姫様だっこで保健室に運んだんだから!!」
友2「だよね〜!!あの二人付き合ってのかな?よく一緒に仲良く話してるの見るし…。月島くん知ってる?」
蛍「いや、知らないけど。てかそろそろ朱鳥とこ行くから…。」
友1「あ、うん。心配してるって伝えといて。」
そう彼女たちと別れ一旦自分のクラスに戻り鞄を持った。
山口に軽く説明し職員室に寄ってから保健室に向かった。
さっきの朱鳥の友人の会話が変に気になった。
影山が朱鳥をお姫様だっこ?
今も二人が一緒にいるのか?
そう思うと歩くスピードか早くなった。