第11章 本当は優しい君だから 〈影山飛雄〉
*朱鳥
ビックリして振り向く。
「け…蛍ちゃん…!!!」
声の主は蛍ちゃんだった。
蛍ちゃんはこっちに歩いてきた。
いつからいたんだろう。
全部聞かれていたのかな…。
でも…ちゃんと蛍ちゃんにも話さなくちゃ…。
「蛍…ちゃん…!あのね…私…!!」
そう言いかけたとき
蛍ちゃんは目の前で止まってそっと私の頭に手をおいた。
蛍「別に…朱鳥が自分で決めたなら僕は反対しないから。」
そう優しい口調で言ってくれた。
その言葉に気持ちが楽になった。
蛍「だけど…。」
蛍ちゃんの話はまだ終わってなかった。
頭から手を離すと飛雄くんの前に行き
蛍「今度また朱鳥とこ泣かすようなことがあったら許さないからね王様。」
って言った。
飛「…ああ…わかってる…。」
蛍「なに?今日はやけに素直だね?まぁ…いいや。
じゃあまた後でね朱鳥。」
「あ、…うん。」
蛍ちゃんはそう言い残して去っていった。