イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第14章 本心 ※R18
ユーリはサラの手を引いたまま
夜の廊下を黙って進んで行く。
ある部屋の前で立ち止まると
扉を開き、サラを中へと引き入れた。
ぱたんと扉を閉めると
静寂が包む。
「ここ…ユーリの部屋?」
シンプルでセンスが良く、清潔そうだが
生活感のない部屋。
サラが部屋を見渡していると
ユーリが
低く掠れる声で尋ねた。
「ゼノ様に…」
「え?」
「ゼノ様に…何されたの?」
突然の質問に
顔を真っ赤にして俯くサラ。
「…べ、別に何も…」
その愛らしい反応に
ユーリは目を見開き
カチャリ…。
後ろ手で部屋の鍵をかけた。
「どうして嘘をつくの?」
「…嘘なんて……」
「だって、あんな…」
(ゼノ様の上に跨ってたじゃない…)
ユーリの瞳の奥が獰猛に光った。
ゼノとの情事を目の当たりにし
完全に
冷静さも
理性も
失ってしまっていた。