イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第10章 月光 ※R18
優しく触れるだけの口づけ。
二人を包む木々が騒めいている。
先に沈黙を破ったのはユーリ。
サラの頬に左手を添え
唇を甘く食み始める。
サラは恥じらいながらも
それに答えるように
小さく口を開く。
それを見逃さないユーリの舌が
ぬるりとサラの口内に侵入した。
サラの腰に添えられたユーリの右手が
触れるか触れないか
曖昧な力加減で
背中をなぞり始めた。
「……ん……」
サラが小さく声を漏らす
(サラ様…)
ユーリは
自分の背後にあった木の幹に背中を預け
サラの腰を更に引き寄せる。
サラは口づけに答えながら
ユーリにもたれかかるような恰好になった。
頬に添えられたユーリの手が
滑るようにサラの耳をなぞり
髪をかきあげると
後頭部を優しく抱いて、
更に口付けを深めた。
「ん……」
やがて、
口付けはそのままに
ユーリは
サラのショールに手を掛け
端と端とを持って
そっと開く。
隠れていた首から胸元へかけての
滑らかな素肌がチラリと覗き
サラは睫毛を少し震わせた。
ユーリはちゅっ……
と水音を立てて唇を離し
その細い首筋を柔らかく食んだ。
「んっ…あっ、まっ……待ってユーリっ///
私、まだユーリの……」
(ユーリの気持ちを聞いていない…)
その言葉は
広がった甘い痺れにかき消された。
ユーリが首筋をきつく吸ったのだ。
「!!!………ん…ふっ……」
サラは吐息を漏らしながら
恥じらいに頬を染めた。
久しぶりに聞く
愛しい人の色香に満ちた声に
ユーリの欲が増徴される。
ユーリの唇はゆっくりと滑り
ちゅっちゅっと水音をたてながら
鎖骨へと進んでいく。
ユーリの右手は
背中をなぞり続けたままで
ぞくぞくする感覚に
サラは、声が漏れそうになるを
左手で口元を抑え、
必死に耐えた。