イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第5章 告白
窓辺の椅子に座り、
俯き加減で
ぼんやりと視線を彷徨わせているサラ。
いつもとは違う
憂いを秘めたようなサラの横顔が
皮肉な事に
ユーリの瞳には
とても美しく映った。
侯爵の屋敷を出だユーリとサラは
少し離れた宿に居た。
すぐ出発すれば、
城に帰れない時間ではなかったのだが
帰りたくないと
サラがぽつりと言ったからだ。
あの後、暫くして
ジルが派兵した援軍が到着し
侯爵は程無く捕まったらしい。
サラを気遣い
『プリンセスはとてもお疲れなので
今日はこの近くでお休み頂きます』
とだけ伝え
他の皆には先に帰ってもらった。
ユーリは
侯爵が捕まってくれて
少しほっとしていた。
もし逃げおおせていたら
地の果てまでも追詰めて
息の根を止めてしまっていたかもしれない。