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イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】

第4章 放心


扉の向こうには、
愛しい人、ユーリの姿があった。


(ユーリ!!!)


そう叫ぼうとして、
サラは口を噤んだ。


上半身はさらけ出られ、
下着は愛液に塗れている自分。
こんな姿、
愛しい人に見られたいはずがない。


肩で息をしながら、
部屋の中を一瞥したユーリは、
広い部屋の1番奥にあるベッドの上に
侯爵らしき人影と、
その下に組み敷かれている
ドレス姿の女性を見つけた。


途端に、
これまで見せたことのないほどの怒りを瞳に宿し、
ゆらりとベッドに近づいてくる。


ユーリがこちらに近づいてくる事を悟ると
サラは絞り出すように、
掠れた声で小さく叫んだ。


「来ないでっ…」


その声にピタリと足を止める。


「お願い…来ないで、ユーリ…」


「サラ様?」


その一瞬の隙をついて、
侯爵が窓から飛び出し、
逃げて行った。


ユーリは後を追おうと窓辺へ走ったが
広い部屋の端にある窓から逃げた侯爵に
追いつくことは出来なかった。


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