イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第19章 想望
木漏れ日の差す暖かな午後。
ジルの執務室を出ると、
サラはふうと胸を撫で下ろした。
「緊張した?」
ユーリが軽い声で尋ねる。
「うん。でも…ユーリも一緒だって思ったら
心強かったよ」
「そっか」
ユーリはにっこり微笑んだ。
サラとユーリは
ウィスタリアに戻って来ていた。
二人で
ジルに
これまでの経緯、
これからの事を伝えて
執務室を出たばかり。
「ジル、分かってくれたみたいで
なんだかほっとした」
「うん。
でも……ジル様、
もしかしたら、
最初から分かってたんじゃないかな?」
「え?最初からって?」
「サラ様がシュタインに行くって決めた時から」
「そうなの!?どうして!?」
サラは目を瞬かせる。
「う~ん。なんとなくそんな気がしただけ」
言われてみれば、サラもそんな気がしてきた。
(そういえば、シュタインにユーリが居るのを見た時も
顔色一つ変えなかったもんね)
考え込むサラを見て
ユーリがくすりと笑う。
「俺の勝手な想像だけどね。
さあ、部屋に帰ろう。
これから、やらなくちゃいけない事が山ほどある」
「そっか。
そうだね」