イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第17章 決意
ユーリは涙を優しく拭うように
サラの目元に口づける。
「好きだよ、サラ様。
サラ様が居ない明日なんて
もう、考えられない」
ユーリは
そっと、サラの手を取り
一歩後ろに足を引くと
洗礼された所作で
ゆっくりと跪いた。
琥珀色の瞳を揺らし、
真剣な表情でサラを見上げる。
「俺の一生をかけて…
どんな事があっても、
貴方を守ると誓います。
俺を選んで下さい。
プリンセスサラ」
ユーリは思いの丈をぶつけた。
これで
サラがどういう道を選ぼうと
後悔しないと、
そう思えた。
ユーリの美しく、
誠実なその姿に、
サラの胸が大きく音を立てる。
「私も一日、本当に真剣に考えた。
ウィスタリアの事、シュタインの事、
自分の事、ユーリの事…
でもどんなに考えても
変わらない事があった。
…私も同じ。
貴方がいない明日なんて
もう、考えられない」
添えているユーリの手をきゅっと握ると
サラは涙を流しながら
花のように笑った。
「ユーリ・ノルベルト。
プリンセスサラの名において
貴方を…貴方と…」
ここまで言うと
後から後から涙が溢れてきて
サラは言葉を紡げなくなった。
ユーリは優しい目をして立ち上がると
そっと愛しい人を抱きしめた。