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イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】

第2章 焦燥


翌日。
真昼の眩い太陽を浴びながら、
ユーリは一人中庭にいた。
サラは遠い領地へ赴いた為、
昨晩はそのまま侯爵邸に泊まり、
今日の昼頃、城に戻る予定。


(そろそろ帰る頃かな?)


白く小さな花弁の、
可愛らしい花を摘み、


(きっと長旅で疲れてるから、
今日はリラックス効果がある
お茶を入れてあげよう)


どんな茶葉が良いか思案しながら、
ユーリがふっと笑う。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


サラの部屋へ赴き、
先ほど摘んだ白い花を花瓶に生ける。


(ふふ、いい香り。
サラ様、喜んでくれるかな?)


(それにしても、
昨日のサラ様のドレス姿、
危なかったな。
俺が選んでおいてなんだけど、
似合いすぎだよ。
サラ様、
気付いてないんだろうな、
俺の気持ち)


ユーリは微笑みながら、
少し切なげに眉根を寄せる。
そして
サラの可愛らしい姿を思い浮かべながら、
いつもサラが座っている
お気に入りの椅子の背もたれを
愛おしそうに、つっと撫でた。


ふと窓の外を見遣ると
なにやら城門の辺りが騒がしいのに気付いた。


(……?なにかあったのかな?)


なんとなく嫌な予感がして、
ユーリは足早に城門へ向かった。



城門には、
サラとジルが乗って行った
馬車が戻ってきていた。


ジルが強張った表情で、
騎士たちに指示をとばしている。


その表情にただならぬ空気を感じ取り、
ユーリはジルの傍へ駆け寄る。


「ジル様!」

「ユーリ……」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ジルから事情を聞いたユーリは血の気が引き、
その場に立ち尽くした。
が、次の瞬間、
じっとしていられないという様子で、
踵をかえして厩舎へと駆け出した。


「ユーリ!!!」


ジルの声は
ユーリの耳には届いていないようだった。


ジルは騎士団を招集し、
援軍を派兵した。


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