第2章 もう一つの魔法の世界
<アギトside>
俺がこの世界に来て二年が経った。
紅炎にこの世界の文字とトラン語を教わっていろんな書物を見せてもらったりしてる。
だーけーどー…相変わらずアースランドへの帰り方がわかんねぇままだ…。
そ-いえば紅炎ってさ、未だにグレイと声が似てんだよな。
紅覇もナツと声が似ているから親近感が湧くってゆーか。
特に紅覇は好戦的なところとかがなんとなくナツに似てるから弟みてぇだし。
だけど…やっぱ帰りてぇな。
『…ナツ達、今頃どういてっかなー』
ホームシックってこーゆー事を言うのかな?
もしもこのままアースランドに帰れなかったらどうしよ…。
「アギト兄~」
『ん?』
紅覇の声がして下を見た。
そう、俺は屋敷の屋根に寝転んで日向ぼっこしてました。
「炎兄がアギト兄を呼んでたよー 書物庫だと思う」
『サンキュー、今行く』
地面に着地して書物庫に向かった。
さっきの紅覇の声だって、もし"アギト兄"じゃなくて"アギト"って呼ばれてたらナツだと勘違いしたと思う。
そうそう、紅覇がこの前紅炎の事を知識欲の塊だと言ってたな。
初めて会った時の紅明も言ってたっけ?
その言葉に間違いは無く、紅炎は凄ぇ知的好奇心が旺盛でした…。
『紅炎ー、来たぞ』
「アギトか」
紅覇の言った通り書物庫にいた。
俺は居候だから戦いに出たりはしねぇけど、どうしたんだろうか?
「突然だが…
迷宮攻略してみないか?」
『…へ?』
ダンジョン…こーりゃくぅ…?