第2章 もう一つの魔法の世界
<side out>
煌帝国宮中、某所。
暗闇の中、中心部にだけ光が差し込んでいた。
「王が来たれり…」
「王が来たれり…」
白い服の上に黒い服を羽織り、白い布で顔を隠した者が口々に呟いた。
皆同じ服装をしていて怪しい宗教団体の様にも見える。
そんな中、黒髪の女が涙を流しながら中央へ現れた。
「来られたのですね…」
女が呟くと周りの者は一斉に静かになった。
「かつて世界を滅ぼしたとされる邪な竜
時代の終わりを告げる黒き竜
その邪な力を宿す人の子…滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)」
女は手を胸に当て、目を瞑った。
「黒き世界の王には黒き器が相応しい
すなわち闇の力を持つ貴方様こそが真の王…」
女は両手を広げ叫んだ。
「ああっ我らが王よ!!
お会いしとうございましたっ!!」
「「「お会いそとうございました!!」」」
「「「我らが王よ!!」」」
「「「黒き器よ!!」」」
「貴方様の力があれば美しい闇の世界へ…
黒き太陽だけが輝く清浄なる光景がもたらされるでしょう!!
共に変えましょう…黒く美しい暗黒の世界へ!!」
「「「我らが王よ!!」」」
「「「黒き竜の子よ!!」」」
「「「美しい闇の世界へ!!」」」
「「「共に変えましょう!!」」」
「「「黒く美しい暗黒の世界へ!!」」」
「邪な力を宿す黒き王よ!!」
「王が来たれり…」
「王が来たれり…」
「「「王が来たれり!!」」」
「全ては…」
「「「「「アル・サーメンのアジェンダのままに!!!」」」」」
(黒き女は笑みを浮かべる)