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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第5章 さらば、もう一人の友よ


「ど…どういうこと…? 全然意味わかんない…」

「終わるんだ 消滅は既に確定している…せめて、君だけでも…」


悔しげにそう言葉を発するジェラールに、ウェンディはハッと声を上げる。


「妖精の尻尾は!? ギルドのみんなはどうなるの!?」


ウェンディの瞳からは、まるでこの雨の様に止めどなく涙が零れ落ちる。
反対にシャルルは眉を寄せ、何かに耐えているかの様に拳を握って俯く。


「全員…死ぬということだ…」

「そんな…!」

『だがそれを阻止する方法がある』

「ほ、本当ですか!?」

『あぁ 今は詳しく説明出来ないが、俺とナツとウェンディとガジルの力があればギルドのみんなを救うことが出来る
 そしてギルドのみんなで力を合わせれば街のみんなも助けれるんだ』

「! 私、ナツさん達を呼んできます!」

「ウェンディ!」


踵を返して走り出すウェンディ。
シャルルの呼び掛けに振り返ったその目には強い意志が宿っている。


「みんなに知らせなきゃ!」

「行ってはいけない…! 君だけでも街を出るんだ!」

「私だけなんてありえない! 私はもう…妖精の尻尾の一員なんだから!」


そう言い放ち、ウェンディはギルドへと駆けて行く。
そしてウェンディを追い掛ける為シャルルも走り出す。
その姿にジェラールは目を見開き、呆気に取られている。

あの泣いてばかりだったウェンディが…と。


『成長しただろ? ウェンディも』

「…まさかここまで…」

『これが妖精の尻尾の魔導士だよ それよりも大丈夫か?』

「っ、あぁ…一刻を争う、行こう」


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