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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第4章 再会と離別を同時に


「ただいま、父上」


そこへ追い打ちをかけるように残りの六魔将軍、ミッドナイトが現れた。


「来たか」

「ちゃんと取り返したよ」

「よくやった ミッドナイトよ」

「(取り返…?)」


ミッドナイトの言葉の意味がわからなくて、まだ俯いていた者は顔を上げた。


「「「!?」」」


ミッドナイトの肩には男が担がれていた。
しかもよく見慣れた者で、此処にいるハズのない男が。


「アギト!?」

「何故…」

「おい! アギトに何をした!?」

「アギトを返して!!」


ナツ、意識が朦朧なエルザ、グレイとルーシィが叫んだ。
しかしブレインは見下す様な顔で言った。


「返すだと?



 アギトは私の息子同然だ」

「「「なっ!?」」」

「僕達は兄弟同然だよ」

「てめぇはいつまでアギトを抱いてんだ!!」

「独り占めはずるいゾ」

「私はあまり面識がありませんが、お金になる美しさ、デスネ!」

「うぬらは…アギトの取り合いは後にしろ
 今は…



 此奴等を排除する」


コブラ達の会話に呆れながらそう言うと、ブレインは杖に禍々しい魔力を収縮させた。


「ゴミ共め…まとめて消えるがよい」


「な…なんですの? この魔力…」

「大気が震えてる…」

「まずい…」


「"常闇回旋曲"(ダークロンド)」


ブレインは魔力を溜め、放つ直前だった。



「!!」


岩陰で震えるウェンディの姿が目に入った。


「どうしたブレイン?」

「知り合いか?」


訝しげに眉を寄せているコブラとレーサーの問いにブレインは答えず、ただウェンディを見つめていた。


「…ウェンディ…」


「…ぇ…え…?」


ブレインは目を見開き固まったままだったが、妖しい笑みを浮かべた。


「…間違いない…ウェンディ





 天空の巫女だ」




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