第2章 もう一つの魔法の世界
<アギトside>
下にあった魔法陣が消え、俺は集中を解いた。
アル・サーメンは俺に滅竜魔法を教えてくれた竜をアクノロギアと誤解してこの世界に送り込んだんだ。
つまり手違いで片道切符を無理矢理押し付けられて帰る為の線路の行方は不明…か。
何かこう…思ってた通り過ぎてヘコむ…。
ん? 今俺は何をしてたのかって?
これはアースランドで上級者がよく使う"思念体"って魔法だよ。
魔力で自分の分身を作る魔法だ。
だがこの世界とは相性が悪いらしく、こうして集中しないと思念体と自分の意識や記憶を共有する事が出来ねぇんだ。
アースランドだと何かをしながらでも簡単に出来るんだけどな。
ところで今紅炎達は何の話をしてんだ?
「では俺は…このマギをいただく」
「「「ええっ!?」」」
「!」
「約束したもんなっ」
「う、うん…」
…さっぱりわからん!
約束って何の事?
俺が来る前に話していた事なのか?
ってか紅炎が「もん」って言うの初めて聞いた!
違和感ありまくりだぁ…。
アラジンくんも凄ぇ怯えてる、ご愁傷様。
シンドバッドは一瞬驚いたが、ニヤニヤしながら俺の方へ歩いてきた。
そして俺の肩に手を置いた…何で?
「じゃあ俺も…アギトをいただくよ」
『…ん?』
「「「えぇええっ!?」」」