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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第2章 もう一つの魔法の世界


「貴方がこの世界に来られるのを心待ちにしておりました」

『予想はついてるが一応聞かせろ
 何故俺をこの世界に送り込んだんだ』

「この世界を暗黒に染める為ですよ」


玉艶は説明しながら顔をうっとりさせ、アギトに近付いてきた。
その顔は待ちに待った恋人に会えたかの様にも見える程嬉しそうな表情だった。


「アルマ・トランの様に失敗しない為、同じ失敗を犯さない為に我々は世界中の古い書物を調べました
 そしてとうとう辿り着いたのは一つの古い古文書と遺跡…」

『…アクローネ遺跡か』

「そこまで調べ上げてたのですね その通りです
 その遺跡で別の世界、竜と竜の戦い、滅竜魔導士、そして竜の王の存在を知りました」

『アクノロギア』

「そうです たった一頭で一国を滅ぼせる程の竜を仲間に…は無理です

 しかしその竜に滅竜魔法を教わった魔導士を仲間には出来ます
 例え異世界の者をこちらの世界に送る事だとしても、ね」


玉艶はアギトの目の前にまで近付いてきた。
そしてアギトに寄り添い、優しくアギトの頬に触れた。


「竜を倒す程の闇の力を操る異世界の魔導士
 貴方程暗黒の世界の王にぴったりな方はいないでしょう
 アギト…貴方も我らが父の元へ下りませんか?」

『断るって言われるのわかってるくせに勧誘すんのか』

「勿論 貴方がこの世界にいる限り、我々は諦めません」

『それでよ、送る方法がわかるんなら戻す方法は知らねぇのか』

「返すつもりは微塵もなかったので知りません」

『だよな…』


玉艶の瞳は純粋に闇に染まっており、ウソを吐いていない事ははっきりわかった。
この世界に送り込んだ張本人が知らないと言うのだ。
他の誰に聞いても、どんなに調べても、


アースランドへ帰る手立てはないのだと理解した。


『知りたい事はわかったし勧誘も断った
 此処に長居する意味はねぇし、紅炎のとこに戻る』

「そういえば、貴方も<依り代>と戦ってたハズですよね
 どうやって此処に来たのですか?」

『…さぁね』


悪戯っぽく一言だけ答えた。


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