第2章 もう一つの魔法の世界
"神速"と"流星"を交互に使って遺跡へ向かう事数時間。
綺麗に整備されたレーム帝国とは違って岩岩岩…崖崖崖…緑なんて一つもない場所に着いた。
『なんじゃこりゃ…』
「此処の何処かに仙人がいます」って言われたら本当に信じてしまいそうだ。
東洋にある西○記の孫○空が登場しそうな岩山だ。
この何処かに遺跡があるんだよな…。
イフリートの時みたいな遺跡だったら岩山と同化して見逃してしまいそうだ。
まぁ普通こんなところに遺跡があるなんて考えねぇよな。
俺みたいに岩々を飛び移れる奴なら此処にいてもおかしくねぇけど。
ナツ達に「鹿みたい」って言われたっけ。
『にしても…全然生き物がいねぇな』
門番みてぇな大きいモンスターがいるワケでもなく。
リスみてぇに小さい生き物がいるワケでもなく、本当に静かな場所だ。
空を見上げても鳥一匹もいねぇ。
俺が岩々を飛び越えていく音しか聞こえないぞ。
『…ん?』
岩に何かが入ってる?
岩の中に岩…って言うべきなのか?
とにかく俺はそこへ向かった。
『これは…遺跡、なのか?』
崖に遺跡が埋め込まれてる、って感じだった。
東洋の投○堂って言う仏教寺院の遺跡バージョンみたいだ。
俺は遺跡の中に入り中へ進んでみる事にした。
中は遺跡と洞窟が混ざったみたいだった。
洞窟みたいだから真っ暗なワケで、俺はナツの魔法で火を灯して奥に進んだ。
亀裂が入った柱とか瓦礫とか…何か歴史を感じるなー。
数分歩き続け、ようやく最奥へ着いた。
『こ、れは…』
そこで俺は目を疑うものを発見した。
『ドラゴン…?』