第2章 もう一つの魔法の世界
俺は紅炎を探していた。
なるべく早めに見つけたいんだけどなー。
書物庫にいないなんて珍しい…何処にいるんだ?
『あ、紅炎!』
自室で書物を読んでいる紅炎を発見した。
「アギトか どうした」
『ちょっと頼みがあってさ』
突然無茶振りな頼みで悪いけどさ…。
『俺、旅に出たいんだ』
書物を読んでいた紅炎の手が止まった。
まぁそうだよな、驚くよな。
「…いきなりどうしたんだ」
『今迄書物庫の書物を読ませてもらったり迷宮攻略に行ったり他国に行ったりしてきた
紅炎のアドバイスのおかげで金属器を手に入れたしアル・サーメンの事も知った
だけど、今のままじゃダメなんだ
本当に帰りたいなら、俺自身がもっと行動に移さねぇとダメなんだ
大陸を渡るくらい行動範囲を広くしてな』
「その為の旅か」
俺は頷いた。
正直旅に出たからって新しい何かが見つかる保障はねぇ。
今迄だって無理言って軽い旅をさせてもらったけど収穫はゼロだ。
だけどそれは大陸内だ。
もっと遠くの国や地域に行けば何かわかるかも知れねぇ。
それだけじゃねぇんだけどな。
これは俺のカンだけど、玉艶さんから離れた方がいいと思う。
アル・サーメンの事を掴む重要参考人だけど、だからこそ危険で用心しなければならねぇ。
それから"押してダメなら引いてみろ"、俺が追求せず放っておけばあちらから尻尾を出すんじゃねぇかってゆう二つの理由だ。
紅炎は悩んだ結果、
「条件が二つある」
と言った。
「一つ、定期的に煌帝国に帰還する
二つ、俺が呼べば即刻帰還する
この二つだ、守れるか」
『構わねぇけど定期的ってどれくらいなんだ?』
「最低でも月一くらいだ」
『わかった 約束する』
紅炎に許しをもらった!
…と思って油断していた。
初めて迷宮攻略に行った時の様にみんなに説得しに行かねぇといけない事を…この時の俺は忘れていた。
(俺も行く!!)
(僕もぉ!!)
(お前等なぁ…)