第2章 もう一つの魔法の世界
<<スゲー全滅だ>>
<<こうもあっさり倒すとは…>>
<<でもアギトってさ、足癖悪ぃな>>
『よく言われる』
でもまさかカオスにまで言われるとはな。
だが直す気はない。
さて、次の部屋に進むか。
<<アギト後ろ!>>
『!?』
素晴らしい俺の条件反射に感謝したい。
カオスの言葉と同時に殺気を感じて"何か"を躱した。
『し、舌ぁ?』
カメレオンかってくらい細くて長い舌だった。
舌に沿って襲い掛かってきた奴を見ると…まぁ堅そうな甲羅に覆われた奴だこと。
鱗の次は甲羅?
<<えっと…コイツは…らん…>>
<<ラングロトラだ>>
『(まさかコイツの甲羅も溶岩平気とか言うんじゃねぇだろうな)』
<<……>>
『(言わなくても察したよ…)』
どーするよ俺、水系の魔法持ってねぇぞ。
あの甲羅堅そうだしなー。
そう思ってたらラング何とかな丸くなった。
何だアレ…ダンゴ虫?
ダンゴ虫みたくコロコロ転がって来…え?
『こっち来んなぁああぁあああ!!』
俺を潰さんとばかりのスピードで追い駆けて来る!
ロードローラーかてめぇはぁああ!
今度は転がったままジャンプして俺の前に立ち塞がった。
急ブレーキしたが奴は何か仕掛けようとした。
奴は黄色い何かを吐き出してきた。
反射的に腕で顔をガードしたが、
『何、だ…コレっ…』
腕が動かねぇ!?
固められたんじゃなくて、体が言う事をきかねぇ!
その隙に奴はその長い舌で俺を捕らえた。
『しまっ、!?』
奴は大きく口を開けて俺を引き込もうとしていた。
え、何…コイツ肉食!?
俺を食う気!?