第5章 此に病める者あり
勝呂君
「“…心を騒がすな。神を信じ、また我を信ぜよ”」
三輪君は詠唱を終え、勝呂君がまだ続いてる。
勝呂君
「“彼、己より語るにあらず。汝、汝らを導きて真理を悉く悟らしめん”」
屍はバリケードを突破しかけてて、もうここから姿が見えてる。
志摩君
「||||ゔわ゙〜‼︎とうとうここまで来た!」
勝呂君
「“凡そ聞くところの事悟らしめれ”」
三輪君
「坊は、最後の章に入った…」
僕は、ボディバッグから魔法円の描かれた紙を取り出した。
僕
「志摩君、構えるよ」
志摩君
「玻璃さんは落ち着いてはるなぁ…」
いや、結構ビビってるんだけど…
僕
「“水と氷の香いを纏て、我が傍に現れよ”」
魔法円に血をつけて唱え、雪男(スノーマン)…アルを召喚した。
僕
「アル、氷弾の用意」
アル
「――!(ビシッ」
僕の頭の上に乗って、アルは敬礼のポーズを取った。