第4章 友千鳥
魔法円・印章術の授業
「これから悪魔を召喚する」
担任のイゴール・ネイガウス先生は、大きなコンパスで教室の床に魔法円を描いた。
ネイガウス先生
「図を踏むな。魔法円が破綻すると、効果は無効になる。そして、召喚には己の血と適切な呼び掛けが必要だ」
ネイガウス先生は、右手の包帯を軽く解き魔法円に血を落とした。
ネイガウス先生
「〝テュポエウスとエキドナの息子よ、求めに応じ、出でよ〟」
全
「‼︎」
そして、一体の悪魔…屍番犬(ナベリウス)が召喚された。
屍番犬
「オオ"オ モ モガ…」
志摩君
「げ…げえっ…!硫黄くさ!!!」
勝呂君
「あれ、屍番犬か……は…初めて見たわ…」
屍番犬は、古代に人の手で造り出された悪魔で、屍(グール)って悪魔を複数体繋ぎ合わせて造られる。
今は造る事自体が禁止されてるんだけどね。
因みに屍は、生物の死体に憑依する悪魔で、葬法が土葬の国でよく出現する。
ネイガウス先生
「悪魔を召喚し、使い魔にする事が出来る人間は非常に少ない。悪魔を飼い慣らす強靭な精神力もそうだが、“天性の才能”が不可欠だからだ」