第6章 おもひで
しえみちゃんが、屋上にやって来て、奥村君の手当てをした。
奥村君が尻尾を隠してたから、多分しえみちゃんは何も知らない…
…帰ろう。
何も見なかった事には出来ないけど、突っ込むのは今日じゃなくて良い。
兎に角、一人で考えたい…
僕は、屋上から下へ飛び降りた。
パシッ
植木の枝に掴まって、地面に着地する。
ガサッ
僕
「!」
ヤバい、音立てちゃ…
奥村先生
「──玻璃さん⁉︎」
僕
「…‼︎」
僕は、上を見ずに走り出し、旧男子寮を後にした。
途中、何度も…奥村先生の焦ったような声が聞こえた。