第24章 さよなら
「藍くんがいなくなったら、私は……っ」
「美風なら大丈夫だ。案ずるな……簡単に死ぬような奴じゃない」
藍くんの笑顔が、瞼の裏に焼き付いて涙が溢れる。
「いつも……あんなに、傍にいたのに……っ!」
「……」
"……っ、天音。お願い、今度こそ……僕が君を守るから。何処にも、行かないで……"
藍くん、藍くんは……本当に私のことを、守って……でも。
「藍くん……っ、どんなに貴方に守られたとしても……! こんなの、こんなの嫌だよっ!! 行かないでっ……行かないで、よ……!!」
カミュの優しい手が、私の頭を撫でる。
それでも私の涙は止まらない。
傍にいたい、ずっと、ずっと。
ただそれだけの願いなのに、こんなにも遠い。
会いたい
「カミュ! 美風さんの搬送先、わかりましたわよ。行きます?」
「だそうだ、天音。どうする? 行くか?」
「っ……、行く……っ」
涙を拭って、何度も何度も願う。
どうかお願いします。
彼を、助けてください。