第24章 さよなら
「いい気味……」
「……あんた……っ」
視界の端に見えたのは、壱原ユイの姿。
「壱原ぁああああああっ!!!」
私は彼女の胸倉を掴んだ。彼女の驚愕の顔が、目に焼き付く。
ああでもそんなこと、もうどうだっていいじゃないか。
そうか、彼女に突き落とされて、こんなことになったんだ。
「お前が、お前が私を突き落したんだろっ!! そうなんでしょっ!!?」
「ふっ。だから何? まぁ、よかったじゃん。"美風藍が貴方を庇ってくれて"」
「っ……!!!」
「よせ天音っ!! 壱原……お前、タダで済むと思うなよ」
「あははっ! どうする? あたしのことどうするつもりなのかな?……いたっ!!」
「大人しくしやがれ」
そこには、彼女を地に抑え込む蘭丸さんの姿。