第22章 人魚の夢
「わぁい! いい天気!!」
「はぁ……星織さん、動かないで下さる?」
「うっ、ごめんなさい」
今朝から愛佳さんの部屋に押しかけ、私はおめかしの真っ最中だった。と言っても、洋服やメイクは自分で、髪型を愛佳さんにやってもらっている。
「まったく、貴方という人はお馬鹿さんですわね。ハーフアップくらいでいいですわね? いい天気とはいえ風は冷たいですわ。首元が寒くなりますわよ?」
「じゃあ、マフラーで誤魔化します」
笑顔一つ、鏡に映る自分は明らかにうきうきしていた。
本日は勝負のイヴ当日。