第7章 好き
気持ちいい…おふとん…裸におふとんかけると、こんなに気持ちいいんだ…
あれ、わたし、なんで裸で寝てるのかな…?
ゆっくり目を開く。
わたしの部屋…
折りたたみ机で…山本くんが勉強してる…
あ…
「わたし…また寝ちゃってた…」
「おはよ。20分ぐらいだよ」
彼がニッコリと微笑む。
「そっか…」
私はベッドの横に散らばったままの服と下着を拾って布団に隠れて着る。
「ふふ…別に隠れなくても。全部見たのに」
笑いながら彼が言う。
「もう…そんなこと言わないでよぅ…」
服を着て彼のとこへ行く。
「英単語の意味調べておいたから写す?」
彼がノートを見せながら言う。
「わ…ありがとう…」
私はなんとなく彼の横顔を見る。
「ん? どうかした?」
彼が首を傾げる。
「わたし…山本くんに…いろいろしてもらってるだけで…何の役にもたってないけど…いいの?」
「そんなの…」
彼は優しく微笑む。
「さやかちゃんがいてくれるだけで…俺は充分だし…。
さやかちゃんが頑張ってたら、俺も頑張ろうって思えるし…。
さやかちゃんが俺のこと好きって言ってくれたら…俺は自分のこと価値がある人間だと思えるよ」
ちょっと照れくさそうに、彼はゆっくり話す。
「山本くん、好きだよ」
私は彼の顔を見てニッコリ微笑む。彼もニッコリ笑い返す。
「ふふ…ありがとう」
私は彼にギュッと抱きつく。
「大好き…」
「俺も…」
彼が私の髪をそっと撫でてくれた。