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〜虹村 修造のお話〜

第21章 -新年度-


4月になり、オレも3年。中学最後だ。

全中に向けて気合も入る。



それにしても…
他のヤツも言っていたが、
2年になってあいつらの
凄みが一段と増してきた。




練習後のミーティングで、
今後のスタメンは2年中心でいくと
発表された。


客観的に見て当然だろう。
遅かれ早かれこうなることは
わかりきっていた。




さらに、今日、
黒子のベンチ入りも発表された。


たしかにアイツは面白い。
冴えないヤツなのに
試合中には目を見張るプレイをする。
アイツのスタイルも認めている。
アイツの努力も認めている。
チームに必要だ。



だが、黒子が
ベンチ入りするということは、
ユニフォームをもらうということだ。


つまり、誰か1人…
ユニフォームを着られなくなる。



3年のヤツだった。



今日はそいつと一緒に帰った。


だが、オレもそいつも、
仲良しクラブで
やっているわけじゃないのは、
身に染みてわかっていた。


自分がベンチ入りした時だって、
自分の代わりに誰かが
ユニフォームを脱いでいるのだから。



頭ではわかっていても、
うまく言い表せない気持ちが、
オレの中に渦巻いていた。
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