第19章 -再デート-
ひかりはすぐに
男女3人を連れて戻ってくると、
オレに駆け寄ってきた。
「ね、写メ撮ってもらお♪」
桜と東京タワーをバックに
ひかりはオレの手を取った。
「あ、もうちょっと右かな。
うん。そう!
あ、もっとくっついたほうがいいかな〜♪」
ひかりの携帯を持った女子大生が、
オレらの位置を指示すると、
ひかりは一瞬恥ずかしそうにオレを見たが、
オレの腕にギュッとしてきた。
「…っ⁈」
「うん♪いいねいいね〜♪」
「ほんとに男いたのかよ〜。残念だなぁ。」
「あぁん?てめぇ‼︎」
携帯をかまえてる女子大生と
一緒にいた男のことばに
オレは写メを撮られてることを忘れて、
そいつを睨みつけた。
「ちょっ…修造っ‼︎」
オレはその男の発言にキレかけたが、
結局ひかりに止められてしまった。
「すみませ〜ん。」
「大丈夫大丈夫‼︎こいつが悪いんだから。
いいな〜♪ラブラブだねぇ。」
ひかりが謝ると、
横で見ていたもう1人の女は
笑って許してくれた。
「…っ‼︎」
「あはは。彼氏さん、ヤキモチ〜?
かわいーい。じゃ、撮るよ〜!」
だから、そぉいうんじゃねーっ‼︎
そう言いたかったけど、何も言えなかった。
結果、写メに写ったオレは、
どこか困り果てた顔をしていた。
それでもひかりは
満足げに写メを見ていた。
「あとで修造にも送るねー♪」
「オレは別に…。」
あ…。
でも、ひかりはよく撮れてたよな。
「つか、なんだよ、あの男!
お前なにかされたのか⁈」
「なんにもされてないよ?
ちょっと酔ってて
ご機嫌だっただけじゃない?」
いーやっ。
ぜってぇあいつひかり狙ってたよな。
次見つけたらシメる。
「大丈夫だって。
修造以外の人とじゃヤダもん。」
ひかりはクスクス笑っていた。
オレは赤面したのを隠すかのように、
ひかりの手をひいた。