第19章 -再デート-
春休み最終日、
部活は午後から休みだった。
オレは昨日の夜、
ひかりをデートに誘った。
『明日バイトか?』
『明日〜?えっとね〜、
明日は朝番だからお昼に終わるよ。』
『お昼だな。じゃ、3時に駅前な。』
『なんのこと?
あ、お父さんの病院に行く?』
『ばっ…‼︎ちげぇよ。いいから!来い!』
そこで電話は切ってしまったが、
ひかりは悟ってくれた…はずだ。
オレは部活が終わってから、
親父の病院に顔を出し、駅前に向かった。
親父のトコを出る前に、
「デートか?」と、ニヤリとした親父に言われた。
なんでわかるんだ?
どいつもこいつも…。
部活終わりに赤司にも突然言われた。
「ひかりさん…」
「…っ⁈あぁ⁈なんだよ?」
「いえ。すっかりいることのほうが
定着しているので、
いない日のほうが違和感だな…と。」
意味深な笑みを浮かべ、
表情を微動だにしない赤司…。
「あぁん?だから…なんだよ?」
「いえ。聞きたいことがあったので。
次の土曜日に聞きます。
ひかりさんによろしくお伝えください。」
何かを察知したのか、
赤司はそれだけ言うと
涼しい顔をして去っていった。
くそっ‼︎こないだ女子マネに
「赤司様」って言われてるって
笑ったこと、根に持ってんのか?
そんなことを
考えている間に駅に着くと、
ひかりは既に来ていた。