第18章 -初対面②-
親父の病室へ行くと、
親父は新聞を読んでいた。
「お父さーん。ジュース買ってきたよ♪
早く飲もうよー。」
「笑未も一緒に飲むー!」
双子たちの声に顔をあげた親父は、
ひかりを見て不思議そうにしている。
「あ!お父さん、あのね、
ひか…んん……っ?」
オレは先を越される前に、
笑未の口をふさいだ。
さっきお袋と話したように、
また笑未に先に言われるわけにはいかない。
「笑〜未っ!いいから。
お兄ちゃんが言う。」
オレは笑未をおさえたまま、
ひかりの横に行き、
親父に向かい合った。
「あ〜あのさ…なんていうか…」
親父は黙ってオレを見ている。
「露木ひかりさん。
えっと…彼女。付き合ってる。」
はぁぁぁ。
自分がこんなに緊張するタチだとは
思ってなかった。
ひかりのことになると、調子狂うな。
「彼女?お前のか?
お前に彼女紹介される日がくるとはな〜。
ベッドの上からですまないね。
息子がお世話になっています。」
「はじめまして。露木ひかりです。
突然お邪魔してすみません。」
突然のことだったのに、
ひかりはオレとは比べものにならないくらい
落ち着いていた。
「ひかりちゃん、ここに座って。」
「ありがとうございます。」
「お父さん、ビックリしたでしょ〜?」
なぜか得意気なお袋が、
ひかりに椅子をすすめ、
ひかりが椅子に座ると、
光平はちゃっかりひかりの膝に座った。