第16章 -デート-
「なんなんだよ、あの医者は〜!」
「あれでも腕はいいんだよ♪
ずーっと通ってたらね、
カウンセリングじゃないけど、
あそこにいた看護師さんと3人で
雑談とかするようになって。」
ひかりの会計を待つ間、
ひかりはオレを
たしなめるように言ったが、
オレはぶつぶつ文句を言っていた。
ひかりのやつ、
あの医者にはどこまで話したんだ…?
いや、それより言うことあるな。
「よかったな…結果。」
「うん。ありがとう。
修造がいてくれて心強かったよ。」
「オレは何もしてねぇよ。」
オレはそっけなく言ってしまったが、
ひかりは嬉しそうに笑っていた。
「これからどうしようか?お茶でもする?」
「あ〜そうだなぁ。」
「あっ♪お兄ちゃんっ♪」
「お兄ちゃんだぁ。」
かわいい聞き覚えのある
子どもの男と女の声…
パタパタとこちらへ駆け寄ってくる。
「…うおっ⁈」
売店のほうから
小動物みたいなあいつらが
猛ダッシュでオレに飛びついてきた。
不意をつかれたオレは、
かろうじて2人を抱き上げた。
つぅか、こいつらがいるってことは、
お袋も来てるのか…?