第14章 ---Another side---
「もういい?
今日は送ってやれねーから、
あいつ呼んで、ちゃんと帰れよ?」
ちょっと心配だったが、
さすがに今日は送ってやれない。
「うん。あの…」
「いーから。わかってるから!
部活のメンバーで会うときくらいは、
今まで通り話してくれよな。」
オレは笑顔を作って、
またあのことばを使って、ひかりと別れた。
卒業式の日…オレが告った時も…
『ごめんね。わたし…虹…』
『今まで通り友だちでいような』
オレはあの時も、
あいつのことばを遮った。
だけど……いい加減諦めないとな。
でも、せめて、今まで通り…
ひかりと会うときは、
これからも”いつものオレ”でいたかった。
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その日、ひかりさんから
迎えに来てほしいと連絡はなかった。
ひかりさんは1人で帰ったんだろう。
その時のオレは、まさかひかりさんが
こんなにも早く行動に移しているとは
思ってもいなかった。