第13章 -真相-
「オレに…”も”?」
ひかりさんのことばが気になって
オレはそのまま聞き返した。
「…うん。卒業式の日、
平澤くんに告白されたの。」
「……なっ⁈」
「断ったよ。
でも、元はといえば、
わたしが誤解させるような
思わせぶりなことをしたのに、
平澤くんは怒りもしないで、
『今まで通り友だちでいような』って。
高校に入ってから、
平澤くんと2人きりで
会うことはなかったんだけど…。
この間平澤くんと行った時も、
本当はあと2人来るはずだったの。
でも、2人とも自分達の部活が
終わらなくて間に合わなくて…。」
話してる間、
ひかりさんはずっとオレから
目をそらさなかった。
しっかりオレを見て、
気持ちを伝えてくれた。
「ごめんね。
ただのいいわけだよね。」
「いや…ちゃんとひかりさんの
気持ちが聞けてよかったです。」
ひかりさんの
家の前だということも構わずに、
オレはひかりさんを抱き寄せた。
「虹村くん…⁈」
顔は見えないが、ひかりさんの顔は、
今真っ赤に違いない。
「ありがとう。
平澤くんにちゃんと言うね。
虹村くんと付き合うって。」
ひかりさんは、
オレの背中に腕をまわすと、
力を入れてギュッとした。