第51章 -巫女さんのことば-
青峰や宮地たちと別れ、
オレとひかりはまた出店に向かった。
かんなちゃんへの
おみやげを買うためだ。
ひかり
「かんなちゃん、喜んでくれるかな?」
虹村
「喜んでくれるだろ?」
りんご飴の他にも
ベビーカステラとわたあめも買い、
かんなちゃんの家に向かった。
ピンポ〜ン♪
ひかり
「露木ですー♪」
神主妻
「あら、おかえりなさい♪
疲れたでしょ?
よかったら、お雑煮食べていって。
かんなもちょうど戻ってきてるから。」
ひかり
「ありがとうございます。」
オレたちはお言葉に甘えて、
お雑煮をご馳走になるコトにした。
和室に通され、こたつに入る。
虹村
「あったけ〜。」
ひかり
「ね♪眠たくなっちゃうね。」
ひかりと話していると、
和室の扉がゆっくり開き、
かんなちゃんがこっちを見ていた。
ひかり
「あ!かんなちゃん!
巫女さん、お疲れさま〜。」
ひかりが手招きすると、
かんなちゃんはひかりの横に座った。
ひかり
「あ!そうだ!
コレ、かんなちゃんにおみやげ♪」
かんな
「…おみやげ?」
ひかり
「うん!
りんご飴とか出店のお菓子だけど。」
かんなちゃんは
ひかりからおみやげを受け取ると、
少しはにかむようにニコッとして、
お礼を言った。
かんな
「あ…ありがとう。」
ひかり
「そこにいるお兄さんも
一緒に選んでくれたんだよ。」
かんな
「え…?」
ビックリしたように
かんなちゃんはオレを見ていた。
ひかり
「あ。えっと…この人はね、
虹村修造っていうんだけど…
わたしの…」
かんな
「彼氏でしょ?」
…っ⁈
ひかりが照れていると、
かんなちゃんが先を言った。
ひかり
「えへへ〜。うん。」
かんな
「ひかりちゃんの…大事な人?」
ひかり
「…っ⁈うん。そうだよ。」
突然のかんなちゃんのことばに、
ひかりはさっきよりも照れずに、
ニッコリしてこたえていた。
………。
オレは…照れる。
かんな
「ひかりちゃんの…彼氏さん?」
虹村
「ん?」
オレが1人照れていると、
初めてかんなちゃんに話しかけられた。
かんな
「…ありがと。」
…っ⁈
ひかりもいるのに、
オレは不覚にもかんなちゃんを
カワイイと思ってしまった。