第47章 -新生活-
-悩み①-
《風呂》
ひかり母
「修造くん、お風呂入ったら?」
夕飯食って一息ついてると、
おばさんが風呂をすすめてくれた。
ちなみにおばさんは、
「一緒に暮らすのに、
”虹村くん”じゃよそよそしいから、
”修造くん”と呼ぶことにした」
のだそうだ。
やっぱりなんとなく、
ひかりと似てる気がする。
ひかり母
「ひかり、お湯の出し方教えてあげて?
あとタオルも出してあげてね。」
ひかり
「はーい。修造、こっちだよ。」
オレが返事する前に、
結局オレから風呂に入ることになった。
ひかり
「お湯はこっちで…
あと、シャンプーとかは
とりあえずお父さんのでいいかな?
明日買いに行こうね。」
ひかりもココで…
風呂入ってんだよなぁ。
って、オレ、ヘンタイかよ…。
虹村
「あ…っ。おう。」
ひかり
「タオル出しとくから、
ゆっくり入ってね。」
そう言ってひかりは出て行った。
やべ…ちゃんと聞いてなかった…。
ま、わかるだろ。
そう思いながら服を脱いでいると…
ガチャ…
…っ⁈
「修造、タオルおいと…きゃああっ!」
「うわっ…⁈」
ノックもせずにドアを開けたひかりが、
思いっきり叫んだ。
オレは間一髪…パンツはいてたから、
ひかりの声に驚いただけだが…。
虹村
「ノックくらいしろって…。」
ひかり
「ご、ごめんっ!
もう入ってると思って…。」
オレは少し呆れて言うと、
ひかりは回れ右をした。
ノックしないって、
双子たちと同レベルだぞ…。
虹村
「それともなに?
オレと風呂入りたかったのか?」
ひかり
「バ…ッ‼︎違うってば‼︎」
ひかりは後ろを向いているが、
真っ赤になってるのは確実だ。
オレはひかりの顔を
覗き込もうと近寄った…が…
ひかり母
「ひかりー⁈どうしたの⁈」
リビングからおばさんの声がし、
こちらに向かっているのがわかった。
ひかり
「ううん!なんでもない!」
ひかりはタオルをおいて、
慌ててドアを閉めた。
オレは風呂場で深く息を吐く。
はぁ…。
やべ…つい、
おばさんいたこと忘れちまった…。
つか、こんなタイミングで
おじさんいたら…
…考えんのやめよ。
ザブンと湯船につかると、
ドッと体から疲れが
解放されていくようだった。