第44章 -家族会議-
そこから先はとんとん拍子だった。
ひかりの両親がわざわざ休みを合わせ、
親父の病院まで来てくれ、
親父とお袋と話をした。
虹村母
「修造?就寝は12時ね。
変なこと考えないように!」
虹村
「な…っ⁈何言ってんだよ⁈」
ひかり母
「あ、虹村さん、大丈夫ですよ。
それはこの間言ったので♪
ね、ひかり?」
ひかり
「お母さんっ‼︎」
オレらは2人で赤面し、
お互いの母親に翻弄されていた。
それを見て苦笑いしている親父と、
オレのほうを睨むひかりの父親。
ひかりの親父さんとは、
今日が初対面だった。
最初に挨拶した時は、
温和そうな人だと思ったが、
その話になった時だけ、
目つきがヤバかった。
ひかり母
「ま、それは半分冗談で、ウチも普段、
ほとんどひかりを1人にしてしまうので…
虹村くんがいてくれたら、
やっぱりひかり1人より、安心なんです。
ね、あなた?」
ひかり父
「…あぁ。」
ひかり母
「どうしたの?」
ひかり父
「…ひかりはまだ嫁にやらないぞ!」
…っ⁈
ひかり
「お父さんっ⁈なに言って…⁈」
ひかり母
「やだ!
それでずっと固まってたの〜?」
虹村母
「でも、ウチはひかりちゃんが
お嫁さんに来てくれるなら、
いつでも大歓迎ですよ〜♪」
虹村
「お袋っ⁈」
ひかり母
「わたしは修造くんなら、
ひかりの旦那さんとしてOKだけど♪」
ひかり
「お母さんっ⁈」
母親同士が意気投合していて、
こっちは置いてかれたままだった。
オレとひかりはあたふた…。
オレなんかひかりの父親のことばで、
余計に固まりそうだっつぅのに…。
虹村父
「いや、お気持ちわかりますよ。」
間に入ったのは親父だった。
虹村父
「わたしは笑未に
彼氏ができたと紹介されたら、
きっと卒倒して口を聞けなくなります。
露木さんは大人ですね。」
親父は笑いながら、笑未の頭を撫でた。
ひかり父
「いえ!あの…その…っ!」
ひかり
「もう。お父さん!
わたしも修造も、
まだ結婚できる年じゃないってば。」
ひかりは笑いながら父親を宥めたが、
ひかりの親父さんが言いたいことは、
なんとなくオレもわかる。
何はともあれ、
年明けから卒業までの間、
ひかりの家に居候することに
正式に決まった。